2013年1月27日日曜日

色から会津藩士を見る

「八重の桜」も早いもので第4回放送が終わりました。
とはいっても、当ブログがどうなるわけでもなく、相変わらず素人目線ののほほんまったりですが(笑)。
さて、物語が進むにつれて、たくさんの会津藩士の方も出てくるようになるわけですが、今日はその会津藩の身分が一目で分かる方法をご紹介したいと思います。
その名も「紐制襟制」。
そもそも会津には、上は家老から下は足軽まで、士中(四階級)、寄合(三階級)、足軽(四階級)の全十一階級に分かれていました。
そしてこれら十一階級のそれぞれに紐の色(あるいは襟の色)が与えられていて、一目で身分の上下が分かるようになっていたのです。
まずは最上位の第一級から見て行きましょうか。
ちなみに以下に出てくる「近習」というのは、文官・背広組で、割場や会所(藩のお役所)や日新館に勤務する藩士のこと。
外様は武官・制服組の藩士のことです。

第一級
羽織紐の色:納戸色→
近習:家老、若年寄、大御目付、奉行クラス
外様:番頭、猪苗代城代など

第二級
羽織紐の色:黒色→
近習:御刀番、町奉行、公事奉行、学校奉行、番頭組組頭、御次番、御祐筆など
外様:御旗奉行、物頭、番頭、御家老付御旗奉行など

第三級
羽織紐の色:紺色→
近習:なし
外様:猪苗代城代勤務の武士

第四級
羽織紐の色:花色→
近習:御側医師、武芸指南役、御近習番など
外様:御家老付一ノ寄合、新番組士

第五級
羽織紐の色:茶色→
近習:御医師、御坊主頭、女中付、御用所役人、御用人所吟味役、江戸御金払、廻米役人など
外様:御家老付二ノ寄合、御家老付三ノ寄合、御家老付四ノ寄合、御家老付与力など

第六級
羽織紐の色:萌黄色→
近習:大賄役、兵器役人、御台所目付、御月代番など
外様(年割の者のみ):大組与力、金鞁役、御軍事奉行付与力、番頭付与力など
◎年割→給料であるお米を、年に何回かに割って貰ってた人達

第七級
羽織紐の色:浅黄色→
近習:小役人、預役所惣小役人定雇、茶部屋
外様(月割の者のみ):大組与力、金鞁役、御軍事奉行付与力、番頭付与力など
◎月割→給料であるお米を、月で割って毎月貰ってた人達

第八級
襟の色:黒色→

第九級
襟の色:大和柿色→?

第十級
襟の色:白鼠色→

第十一級
襟の色:浅黄色→

冒頭で触れたことと照らし合わせますと、第一級~第四級までが「士中」(400~500人いたそうです)、第五級~第七級までが「寄合」、第八級~第十一級までが「足軽」です。
足軽からは、紐ではなく襟の色になってるんですね。
ちなみに第五級までを「独礼御目見」といい、ひとりで藩主に謁見出来る身分でした。
さて、覚馬さんは第4回で謹慎が解ける前の時点では、「武芸指南役」と考えて問題ないでしょうから花色の紐(ちなみに山本家は「外様」)。
権八さんも同様です。
作中でもそんな色の紐でしたので、素晴らしい時代考証です。
あまり上手にご紹介出来ませんでしたが、紐で上下関係が分かるのだということを頭の隅に置いておいて頂ければ、藩内の上下関係も良く見えてくるかと。

ではでは、此度はこのあたりで。
第4回分の記事は、今しばらくお待ち下さいませ。


【参考】
和色大辞典様(http://www.colordic.org/w/
野口信一(2005) 『会津藩』、現代書館


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